2020/01/05   

2020年版:ポルトガルでアパートを借りる

リスボンのアパート

ポルトガルのリスボンに移住をしてから7年半が過ぎました。
長いようで短かったのですが、様々な変化がありました。
大きく3つあって、観光客/外国人の増加、景観の変化、不動産価格の上昇です。
アパートの賃貸料も2倍くらいになりました。
自分の思うところも含めて、それぞれ解説をしていき、最後にアパート探しに有用なサイトなどを紹介していきます。
アパートを探すのが目的の人は、こちらまでスキップしてください。

観光客/外国人の増加

リスボンの街を歩いていてまず気付くのが、圧倒的に観光客が増えたことです。
そしてその観光客とは外国人、つまりポルトガル以外の人です。
市街地であれば、どこに行っても多くの人を見かけます。
特に、観光スポット、メイン広場、メイン通り、公園、レストラン、バーなどです。

ポルトガルも他の国々と同じく、2008年以降の経済危機で大きなダメージを受けました。
その回復のために、政府が観光業に力を入れた結果、観光客を招くことに成功をしました。
これは、他のヨーロッパの観光都市でテロが起き、情勢不安が続いたというのも一因です。
ポルトガルでは、幸いテロが一度も起きていないということが、人々の安心感を生み相乗効果があったと考えられます。

また、ポルトガルは西欧の中では一番物価が安く、温暖で年間で太陽の降り注ぐ時間が多いことなど、元からあるポテンシャルを生かしたアドバタイジングがうまく行ったのもあると思われます。
「今まで最も低評価されてきた国」、「今年行くべきところ」などと言われ、一度来てみて気に入りリピートする人が増えています。

景観の変化

観光客が増えたことに伴って、街中には変化が生まれています。
また、宿泊施設、レストラン、カフェ、缶詰などのお土産屋がものすごく増えました。
今まで廃墟もしくは古くなった建物がホテルやホステルに建て替えられ、昔ながらのレストランが売られモダンで高価なレストランやカフェに改築され、昔ながらの路面店が観光客向けの内装がド派手なお土産屋に変わりました。
観光客商売が優先にされたため、ローカルにとっては行くことのないところへと変化して行っています。

また、多くの広場や通りが新たにコンクリートで整備されました。
どうちらかと言うと、すっきりとさせてマーケットやイベントなどを開催しやすくしているのかなとも思ってしまいます。
他のヨーロッパ諸国と同じような感じに見えてきて、少し残念なところがあります。

不動産価格の上昇

観光客がポルトガルを気に入り、それに伴い外国人の入居者が増えました。
投資目的、民泊の貸出用、ゴールデンビザの取得のために不動産を購入をしていきました。
これらの外国人はポルトガル人よりもお金を持っていて、アパートのオーナー達は高い金額でも売れることがわかり値段を釣り上げていきました。
また、法律も改正され税収などの影響もあるかもしれません。
それでも他の西欧諸国に比べたらまだまだ安かったため、躊躇をすることなく購入をしていきました。
それが積み重なりますます金額が上がっていきました。

また、上記のように温暖で年間で太陽の降り注ぐ時間が多いことから、リスボンはヨーロッパのノマド生活者にも人気が出てきています。
顧客は自国にいて、支払いは自国の高い金額を受け取っているため、リスボンの賃貸料が上がってきたといえまだ自国に比べたら低いので受け入れてきました。
また、リスボンの中心部は小さく、多くの不動産がホテル、ホステル、民泊などの宿泊施設と改築されてきていることもあり、圧倒的に住居が不足しています。
空き物件は取り合いとなっていて、物件を見に行くと20人、30人とリストに連なっています。

また、一つのアパートを他人とシェアするフラットシェアをしている人達もものすごく多いです。
アパートのオーナーも、各部屋をそれぞれ貸した方が、一家族に貸すよりも金額を高く設定できます。
居間をベッドルームに改修して、賃料を増やそうとするオーナーもたくさんいます。
このように様々な理由から、賃貸料も同じく値段が上がっていき、2倍くらいになりました。

アパートは貸手市場

上記の通り、リスボンでは居住物件が足りなくなっていて、需要と供給のバランスがおかしくなっています。
需要が圧倒的に高く、アパートのオーナーが居住者に対して圧倒的な決定権(権力)を持っています。
アパートの賃貸料は複数年契約でない限り一年更新で、毎年少なからず上げられていきます。
そのため契約の更新時に値段を極端に釣り上げたりして、嫌なら出て行ってくれという感じです。
「もっと高い金額を払ってくれる新しい入居者は簡単に見つかる」といった具合で強気に出てきます。
友人達もそれに悩んでいて、結局収入の半分以上が賃貸料で消えていき、毎月貯金を削りながら生活をしているので、ここに住む意味が無いといったことも言っています。

今、自分が住んでいるアパートには2年前に移り住みましたが、そのエリアでもアパートもしくは建物の改築が多く行われていて、売りに出されていた物件を興味本位で聞いて見ました。
中心地からトラムやバスなどで10分くらいのところですが、日本でもアパートを購入できるような金額で驚いてしまいました。
そのアパートの賃料は、2019年から2020年の契約更新時に、前年度の金額より13%上げられました。
上昇した金額にも驚きましたが、通達が30日前に来て次回の支払いからそうなりますと一方的でした。
急すぎるので法律上で認められているのかと問うと、それが嫌だったらいつでも契約解除してくれていいよと言われました。
こんな短期間で引っ越しなどできるはずがないので、オーナーの言っていることを受け入れるしかありませんでした。

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