2015/07/26   
Category: その他

ヨーロッパ各国の最低賃金比較

ヨーロッパといってもそれぞれの国々には大変格差があり賃金はもっとも分かりやすい指数として挙げられます。
ヨーロッパに移住を考えている人にとっては興味深いデータになると思います。
Eurostatのサイトではいくつかの国を除いて各国の最低賃金を表示しています。
2015年7月のデータをもとに並べ替えました。因にデンマーク、イタリア、キプロス、オーストリア、フィンランド、スウェーデン、アイスランド、ノルウェー、スイス、旧ユーゴスラビア諸国は統計に入っていません。

順位 最低賃金(ユーロ)
1 ルクセンブルク 1,922.96
2 イギリス 1,509.70
3 オランダ 1,507.80
4 ベルギー 1,501.82
5 ドイツ 1,473.00
6 アイルランド 1,461.85
7 フランス 1,457.52
8 スロベニア 790.73
9 スペイン 756.70
10 マルタ 720.46
11 ギリシャ 683.76
12 ポルトガル 589.17
13 ポーランド 417.55
14 クロアチア 398.90
15 エストニア 390.00
16 スロバキア 380.00
17 ラトビア 360.00
18 チェコ 337.58
19 ハンガリー 333.41
20 リトアニア 325.00
21 モンテネグロ 288.05
22 セルビア 235.51
23 ルーマニア 234.77
24 ブルガリア 194.29
25 アルバニア 156.82
アメリカ 1,123.13
トルコ 425.17
日本 1,009.44 *1

*1 日本は最低賃金を時給で規定しています。2015年の全国平均時給は780円です。これを一日に8時間、月に22日働いたものとして換算をしています。

まず気になるのが一番高い1922.96ユーロのルクセンブルクです。
この国はあまり知名度が高くないかと思います。
自分にはルクセンブルクから来た友人が一人いますが、小国で強大な国々に囲まれているということもあり、語学が堪能な人が多いようです。因にその友人は6カ国語を話します。
この友人はポルトガルに住んでいるのですが、親からはなんでそこに住みたいのか分からないと言われていると聞きました。
たしかにそのはずで最低賃金が3分の1にも満たないわけで理解に苦しむところだと思います。

アイルランドがかなり高い位置にいるなと思いました。というのも自分がこの国を訪れた2000年にはそのような印象を受けなかったからです。その後にユーロの導入があったりと経済的には様々な変化があったのと多大なECからの支援があったからだと思われます。

一番注目をしたい点がフランススロベニアの間にものすごい格差があるところです。およそ2倍の格差がここにはあって、これらの国々が同じユーロ通貨を使用しているというところに無理があるのかと考えられます。このボーダーでユーロを二つに分けてしまった方がスロベニア以下の国々は経済的に救済されるのではと思ってしまいます。ポルトガルではユーロが導入されて物価が2倍になったと聞きました。給料も2倍になればいいのでしょうが、それはそのままだということを考えると単純に生活が苦しくなったと言えます。

ギリシャの賃金が2011年からかなり下げされている点にも注目です。862.82ユーロだったのが3年で683.76ユーロとなりました。これは全労働人口の25%を占めている公務員に対して行われた財政緊縮策の影響だと考えられます。単純計算で20%くらいの給料がカットされていることになります。これはローンなどを含めて計画変更が強いられる厳しい状況だと思います。

自分が住んでいるポルトガルは589.17ユーロが最低賃金として記載されています。
実際には夏と冬に休暇手当がでるので全ての給料にこれらを足して12で割った金額が使われています。
普段生活をしていて妥当な数値だと感じられます。数値としては日本に比べて約半分ということですが、これはあくまでも日本でのパートの時給であって、平均給料として比較をすると確実にそれ以上の差がでるものと考えられます。

最後に気になっているのがエストニアの伸び率です。ここ3年間で1.4倍になりました。これは停滞しているヨーロッパ各国の中でもルクセンブルクとイギリスと同様に経済が上向いているということが言えるのではないかと考えられます。ヨーロッパでは17カ国を訪れましたが、エストニアには行ったことがないので是非とも現地で感じてみたいと思いました。
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